本記事では、明石城の主郭部(東の丸・二の丸・本丸)と天守台について詳しくご紹介します!
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東の丸
東・北・西の三方に城外・北の丸・二の丸へと通じる虎口が設けられ、各虎口には櫓門がありました。二の丸とは石塁で隔てられ、東・北面には土塁が築かれています。
東の丸内に遺構は残っておらず公園として整備されています。左側の盛り土が東側の土塁。
左側の虎口が北の丸へ通じる「真ノ門」、右側の虎口が城外・帯曲輪へ通じる「天ノ門」。
真ノ門は食い違い虎口になっていて、その先の土橋で北の丸と結ばれています。左側は薬研堀、(薮で見えませんが)右側は谷状地形になっています。
このまま少し足を伸ばして、北の丸唯一の遺構である門跡を見に行きます。
土橋を進むと舗装された道路に至り、その道路を左折すると門跡が見えてきます。
おそらく明石城の中で最も知られていない遺構でしょう。
この門跡は北の丸の南側の虎口ですが、絵図では門が描かれていません。簡易的な門があったのでしょうか。
東の丸と二の丸を隔てる「方ノ門」は食い違い虎口になっていますが、主要部の虎口としては工夫が乏しく少し心許ない印象です。
二の丸
東と南に東の丸と帯曲輪へと通じる虎口が設けられ、各虎口には櫓門がありました。本丸とは土橋で結ばれ、北面には土塁が築かれています。また、南東隅・北東隅に二重櫓がありました。
石塁越しに北東隅から二の丸を見たところ。北側の土塁が確認できます。そして、この辺りにあったのは「礼ノ櫓」。
二の丸北面石垣は十分な高さがあり、写真のような絶壁となっています。
南側の石塁は取り壊されてしまったのか、残念な姿に…
一度下まで降りてきました。
上から見下ろしたときよりも勾配が急で、窮屈に感じます。
階段外側の石垣には雁木が残ります。
二の丸南虎口にあったのは「大ノ門」。
台地を深く削り取って造成された、本丸と二の丸を穿つ巨大な大堀切。
本丸と二の丸を結ぶ土橋。本丸東面の守りは、南北の大堀切・土橋・外枡形の3つの要素によって構成されています。
北側の堀切は、南側よりもさらに規模が大きなものとなっています。
下から見るとその大きさがより強烈に体感できます!
台地をこれだけ削り取るのはさぞかし大変だったんだろうなあ。
大堀切越しに本丸を見たところ。印をつけた穴は暗渠といって、石垣の内部に溜まった水を排水するための設備。
それでは土橋を渡って、本丸に向かいます。
土橋の幅員は5mにも満たず、大勢が一度に通ることはできません。
先導してくれる猫が可愛いなあ。
写真を撮っていると、もう一匹猫が現れました。外猫なのに毛並みが綺麗、誰かに面倒見てもらってるのでしょうか。
本丸
東と北に二の丸と稲荷曲輪へと通じる虎口が設けられ、各虎口には櫓門がありました。四隅には三重櫓が築かれ、そのうち巽櫓と坤櫓が現存します。
本丸東虎口は小規模な外枡形になっていて、ここにあったのは「番ノ門」。
番ノ門石垣には、おそらく城内で最も整えられた石材が用いられています。
北東隅にあったのは艮櫓。艮櫓は高さ11.4mだったらしく、櫓の大きさは坤櫓 > 巽櫓 > 艮櫓となります(乾櫓は不明)。
礎石は見当たりませんが、縁石が残っています。
このあたりは木が少ないので、艮櫓からは本丸を一望できます。
やっぱり本丸内も何もない。
本丸はほぼ正方形に近い形をしていますが、他の隅部とは異なり北東隅は写真のように折れを伴った造りになっています。
色々考えてみましたが、ここだけこのような形になっている理由がわかりません…
稲荷曲輪へと通じる北虎口にあったのは「見ノ門」。
本丸の西端、天守台と北西隅に位置する乾櫓の間には多聞櫓が連なっていたそう。
天守台へは、北側に備え付けられた階段を使って上がります。
印をつけた石段は宝篋印塔の基礎、いわゆる転用石です。
東西25m、南北20mにも及ぶ巨大な天守台は熊本城天守と同程度の規模ですが、実際に天守が建造されることはありませんでした。したがって、礎石などはありません。
本丸から見た天守台はそれほど大きく感じられませんでしたが、稲荷曲輪から見上げると圧巻の存在感!
そして隅部は非常に丁寧な算木積となっています。
次の記事では、稲荷曲輪について詳しくご紹介します。
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