兵庫県加東市、東条湖近くの田園地帯にひっそりと佇む若宮八幡宮。
こじんまりとした村の神社といった様相ですが、力強く美しい本殿は重要文化財に指定されています。
若宮八幡宮はこんなところ
創建に関しては明らかではありませんが、本殿の内側には永禄七(1564)年の墨書があり、少なくとも室町時代後期から存在していたことになります。
若宮八幡宮が所在する加東市は神戸市から北へ35kmほどのところに位置し、酒米として有名な「山田錦」の名産地です。正面には立派な門が立ち、境内には本殿と拝殿、そして舞台が立っています。
祭神は誉田別尊で、毎年8月16日に行われる「柱祭」は加東市無形民俗文化財に指定されています。
力強く美しい、流造の見事な本殿
境内へは短い参道が続き、その入口にはまだ新しさを感じる石燈籠と石鳥居が立っています。
立派な佇まいの表門は、桟瓦葺、入母屋造、三間一戸の八脚門です。
門の背後には舞台が立ち、表門から本殿まで境内の建造物は一直線に連なるように配されています。
本殿の前までは立ち入ることができないので、拝殿から拝する形になります。
本殿(重要文化財)は内陣板壁の墨書から、永禄七(1564)年の再建であることがわかっています。
昭和四十三年の解体修理によって一部改変されていた箇所が復元され、さらに平成二十一年には屋根の葺替えが実施されて現在の姿になりました。
三間社流造の本殿は桁行・梁間ともに三間で、前方一間を向拝(本殿前面の屋根が屋根が張り出した部分)、後方二間は内部で内陣と外陣に区切られた身舎(本殿の主部分)とし、三方に廻り縁を配します。
椹の板材を使用した杮葺の屋根の上には、銅板で包まれた箱棟と千木、鰹木が配されています。
前面の唐破風が非常に印象的で、登桁(階段)と唐破風が合わさった神社建築は全国でも数例しかない大変珍しいものだそうです。
組物は簡素な出三斗ですが、柱にはオモト・ショウブ・キクコイ・ツル・カメ・柏葉や筆といった多彩な彫刻があしらわれた装飾性に富んだものとなっています。
まとめ
公共交通機関で訪れるには少し不便な場所にある若宮八幡宮ですが、力強く美しい本殿は一見の価値があり、のんびり過ごせる穴場スポットです。近くにある東条湖おもちゃ王国や国宝本堂を有する朝光寺、西国三十三所第二十五番播州清水寺に訪れた際には足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
公共交通機関でお越しの場合は、三宮駅からバスを乗り継ぐか、神戸電鉄「小野駅」から路線バスまたは大阪駅から高速バスを利用することになります(基本情報に詳しく記載しています)。お車でお越しの際は神社前の公民館の駐車場をご利用ください。
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基本情報
- 正式名称
黒谷若宮八幡宮 - 所在地
兵庫県加東市黒谷275 - 文化財指定
本殿(重要文化財)
柱祭(加東市無形民俗文化財) - アクセス
- 三宮駅からアクセスする場合
各社「三宮駅」から神姫バス「三宮~西脇線(社[車庫前])行きまたは西脇営業所行き)」で社[車庫前]下車、「社~三田線(三田行き)」に乗り換えて「天神」下車、徒歩約25分 - 神戸電鉄小野駅からアクセスする場合
神戸電鉄粟生線「小野駅」から「天神」行きで終点「天神」下車、徒歩約25分 - 高速バスでアクセスする場合
中国ハイウェイバス津山~大阪線で「高速東条」下車、徒歩約25分
- 三宮駅からアクセスする場合
- 駐車場
境内前にあり/2台/無料 - 拝観時間
境内自由 - 御朱印
無し - 所要時間
約10分
参考
加東市HP 最終アクセス2024年5月23日